FC2ブログ

フェイク・ラヴ 完結御礼

                   フェイク・ラヴ 完結御礼


フェイク・ラヴ、最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました((´∀`*))
思いがけずに焦らし焦らしになってしまったことをお詫びします!

にも関わらずたくさんの応援、拍手コメ本当に感謝感激です(○≧∀≦)

一応、完結したものの、なんだか書き足りない感じなのですが、これ以上引き延ばせば、またよからぬ
ことが起きそうで、ひとまずは完結ということで!

最後の方はアレンの過去、そして囚われていた原因に解き放たれ、素直に愁を受け入れることができました。
元々惹かれあっていた二人ですから、今はアツアツです♡

次作は残念ながらまだ考えておらず、いつになるかわかりませんので、また途中報告などを入れたいと思います。
本当に長い間引きずったにもかかわらず、ありがとうございました (^0^)

少し暖かくなりましたが、まだまだ寒い日もありますので、皆さまもどうかお体に気をつけてくださいませ!



                                                        by アナン


                                ≪35 ☆≫


ランキングに参加してます♪ よろしかったらポチッとお願いしますね (^0^)

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



フェイク・ラヴ(35) 最終回

「おい、愁!忘れ物はないか…」
甲斐甲斐しく声をかけてくるのはアレンだ。

慌ただしく鞄を小脇に抱え、身だしなみのチェックも早々に、愁は玄関へとダッシュする。
「送ってってやろうか?」

「ん…大丈夫!行ってくる」
ノブにかかった手を一旦引込め、くるりと振り返ると、伸びてきた手に素早く腰を捉えられる。

引き寄せられ、熱い熱いキスを交わす。
「そんな瞳して見てっと、ベッドに引っ張り込むぞ!」

「ば、ばか!行ってくる…」
慌てて飛び出す愁を、アレンは笑顔で見送った。

二人は念願叶って、アメリカでの生活をスタートさせたのだ。
愁はアレンとの再会後、早く退院できるようにと、しっかりとご飯を食べ、弱った筋力を取り戻すための
リハビリにも励んだ。
そして、恭介の姉、加奈子が進めてくれていたドリーム、アメリカ本社での勤務に向けて準備を進めた。

一方、アレンは少しでも愁の側にいる為にと、オフィスワークに仕事を切り替えたのだ。
その為には引き継ぎや何やと時間を要す為、アレンは一足先にアメリカへと帰って行った。

不安がないと言えば嘘だ。
またアレンと会えなくなるんじゃないか、自分がいない間にアレンは他の人を好きになったりしないだろうか。

そういった不安がたまに頭をもたげ、そして打ち消した。
だってアレンは言ってくれたのだから…

あの病室で、アレンははっきりと言ってくれた。
「お前を愛している」と。

出会って初めて言ってくれた言葉だった。
何よりも欲しかった言葉。

彼はそう言ってベッドの上の愁にキスをくれた。
「言いたかったが、今まで言えなかった、すまない。愛してるよ、愁」

言って涙を流す愁に何度もキスをしてくれた。

父親を交えて三人で話もした。
アレンが愁をアメリカへ連れて行くと言い、それに項垂れたように頷いた父親が意外だった。

いったいいつの間にそんな話をしたのか、アレンは父と前もってその話をしていたらしい。
「父さん、ありがとう…」
愁も初めて父親に素直な気持ちを言えた。


アメリカに来て初めての一年はあっという間に過ぎた。
愁は初めての仕事に全力投球し、アレンも新たな部署での仕事に慣れる為に必死だった。

とは言え、愁には日本で友人になった龍二の友人でもあるドリームの商品開発部にいるスティーブもいたし
加奈子も一度アメリカに来てくれた。
心強い友人の支えもあり、さほど苦労もなく会社に溶け込むことができたのだ。


「アレン…も…きて…早く…」
いつまでも同じところをゆるゆると愛撫される。

「まだだ。ほら…足…」
「や…もう…アレン!…意地悪…しないでよ…」

そう。
どうしてアレンが意地悪をするのか分かっているから、愁は強気に出れないでいる。

今日はオフィスの皆と退社後、食事にいった。
そこにスティーブがいたことがアレンは気に入らないのだ。

断ったのに、スティーブがアルコールを飲んでるから送るよ、と言ってわざわざ送ってくれたのがいけなかった。
こうなることは分かっていたので、愁は必死に断ったのだが…

あまりに軽いノリで送られてしまった。
念のため、マンション近くでタクシーを降りたのだけど、やはりというべきか、そんなものは何の誤魔化しにも
なりはしなかった。

愁にはアレンがつけた警護がついているからだ。
アレンは自分がやっていた仕事の関係上、そして日本での出来事以来、身の回りのことに慎重になっている。

それはもちろん全て愁の為だった。
二度と愁を巻き込まない為に、愁には自宅から一歩出たその瞬間から自宅に戻るまで警護がついている。

もちろん、それと本人には気付かれないくらいのエキスパートな人材だ。
だから、愁本人も意識しないくらい自然なのだ。

任務がアレンにバトンタッチされた瞬間に、アレンに報告が入る。
だから、愁の一日の行動はほぼアレンに筒抜けなのだ。

アレンが自分の為にしてくれていることだから、これには愁も口出しできない。
アレンの気持ちは嬉しいのだが…

「あっ…あっ…もう…」
もっとも敏感な部分を、生ぬるいアレンの舌が掠めていく。

我慢しきれずに滴った愛液が腹を汚す。
「愁…すげぇ淫らで大胆だ…。こんな姿、他の誰にも見せるなよ」

アレンの視線を感じて羞恥が込み上げる。
「そ…んな…。見せる訳な…あっ!…アレン…おねが…」

すっと離れて行ったアレンの舌を、その顔を、恨めしげに見つめていると、ずり上がってきたアレンに腰を
抱かれ、反転させられた。

アレンの腹の上に乗る形になった愁は、手をついて半身を起そうとする。
「愁…欲しけりゃお前から来い」

その手を取られ、腹の上に跨るように座らせられる。
「そんな…アレン…」

「嫌なのか?」
「そうじゃ…ないけど…」

嫌じゃないが、この形は愁が一番苦手とする体位だった。
自分の顔も、昂ぶるそこも、全て見られてしまうからだ。

全てをさらけ出して、自分に見せろと言っているようなアレンの視線には抗えない。
腰をゆっくりと持ちあげ、後ろ手でアレンの勃ち上がった雄を掴む。
そしてゆっくりと腰を落としていった。

「愁…」
アレンの声にも熱が籠る。

自分からゆっくりと、そして少しずつ速く腰を振る。
堪らなくて、手を伸ばして自分のものを掴もうとすると、その手を捉えられる。

「あ…アレン…お願い…触って」
もう羞恥も何もなかった。

アレンの全てを欲していた。より強く、より深く、アレンを感じ溶けあいたかった。
はしたなくアレンの手を導き、懇願する。

望み通りアレンの手で扱かれ、下からも力強く突き上げられる。
「愁…」

アレンの切ないような声に、身震いを覚え、痛いほどの快感が体を走り抜けていく。
「ああーっ!」


ほんの少しの間、気を失っていたらしい。
温もりに包まれていることに安堵し、目を開くとアレンの笑顔が飛び込んでくる。

自然と微笑み返した愁の額に、アレンがキスをくれた。
「おい、誰にでもそんな顔見せたら、監禁するぞ!」

物騒なことを言いながら、再び唇にキス。
「アレン…好きだよ。気が狂いそうなほど好き…」

甘いキスに思わず本心が口をついて出る。
「あ…俺もだ」

戯れのキスが、次第に官能的になってくる。
第二ラウンドの始まりはの合図に、ベッドがギシリと鳴いた。


                     ≪34 ☆ 完結御礼≫


☆ なんだか最後は飛び飛びのアップでご迷惑おかけしました(ι´∀`*)
  アレンと愁のラヴラヴな日々です♡
  意外にアレンって焼きもちやきだし…
  ともあれ、幸せな二人に乾杯~(○≧∀≦)

  最後まで読んでくださった皆様、応援コメ、ありがとうございました!
  何とか最後まで書く事ができました。
  とは言いつつも、本当はマーク(元彼)のこととか、もうちょっと書く予定だったのですが
  今年に入り、いきなりのインフルエンザに風邪に…(。・´_`・。)
  これでもかってくらいの災難続きで、気が付けば仕事が溜まりに溜まって、追いまくられる始末です。
  当分は次作は書けそうもないので、少しブランクが空くと思いますが、また書けるといいなぁ♡
  本当にありがとうございました!

ランキングに参加してます♪ よろしかったらポチッとお願いしますね((´∀`*))

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

フェイク・ラヴ(34)

帰国命令と共に与えられた、ありがたくもない休暇を消化する為に、普段会えない友人に会ったりと、
それなりに時間を有効に使っていたアレンの目の前に、突然現れた男。

男はかつてアレンが愛した男、マークの友人だと名乗った。
男はマークと同業、いわば傭兵のような仕事をしていたが、今は退いていると話した。

男はマークが三ヶ月前に殉職したことをアレンに告げた。
「それで…なぜ、それを今さら俺に?」

アレンは不思議なほど冷静だった。
いつか、こんな日が来るとどこかで思っていたのかもしれない。

奇妙な安堵感と、一瞬の疼痛が胸を掠めていった。

「今さらだとは思いましたが、友人としてこれだけはあなたに伝えたかった。それでないと、あいつも
あなたも終われませんから。あいつは形こそ歪だったかもしれないが、最後まであなたを愛してましたよ」

そんな男の言葉に、アレンは返す言葉すら持たなかった。
沈黙が苦痛になりかけた頃、男は踵を返して歩き出した。

「見たんですよ…。あいつのパスケースの裏に入ってたあなたの写真。あいつが亡くなった病室のごみ箱に
小さく丸められて捨ててあった。あいつにしては甘い証拠隠滅だ」

男はドア口で振り返り、そう言うと少し寂しそうに笑って去って行った。

俺はマークを愛した。そして、マークも本当に俺を愛してくれていた。
だけど、あいつの愛は仕事となればその愛すら殺してしまえる類の愛だ。

所詮、アレンには理解できない愛なのだ。
しかし、それもようやく完全に過去となった。

もう理解できなかったことに困惑する必要もない。
今度は己の内側の声に耳を傾ける番だ。

帰国して以来、ずっと心の奥に封印していた気持ちに、ようやく向き合うことができる。
しかし、向き合ったところで状況が変わるはずもない。

あいつが無事に意識を取戻し、元気にやっているならそれで良かった。
ただ、気にかかるのは最近の愁の様子を知らせてくれた恭介の話だ。

体の傷は癒えたが、退院できずにいる愁は、食事を受け付けないらしい。
気にかけながらの次の仕事の準備に取り掛かり始めた矢先に、ジャックから呼び出しがかかった。


駆け付けた病院で見た愁の姿にショックを受けた。
元々細かった体はさらにやせ細り、顔も一回り小さくなっていた。

「君に会えなかったのが原因らしい。私が間違っていたようだ…。あの子を、よろしく頼む」
そう言って牧野理に頭を下げられて、正直戸惑いはあった。

だが、愁の顔を見た途端、込み上げてきた愛おしさで、戸惑いは消えていた。
自分の体を張って俺を守ろうとした愁…。

今度はその愛おしい命を、どこにもやりたくないという独占欲が頭をもたげてくる。
「頼むというなら、俺の好きにさせてもらいます。愁をアメリカに連れて行きます」

アレンは牧野理にきっぱりと宣言した。

「…今更私がこんなことを言うのも何だが、なるべくあの子を泣かせないで欲しい。親としてお願いしたい」
牧野理はしばらくアレンの顔を見つめてから、そう言った。

「あいつが…愁が、毎日笑って過ごせるように、俺なりに努力しますよ」
少し前の自分なら、冗談でも出て来そうにないセリフが、すらすらと出てきた。

それは本音だ。

どれだけ冷たくあしらおうと、どれだけ酷い応酬をしようと、愁は真っ直ぐにアレンを見続けてきてくれた。
だから、今度は自分が応える番だ。

もう二度と本気で人を好きになることはないと思っていた。
どうせ裏切られるのなら、一夜限りの遊びで十分だと。

そんなアレンの心を揺さぶったのは、紛れもなく、このずっと年下の幼い愛人だった。


                      ≪33  35≫


★ 王子様…アレンの人生の区切りですかね~。
  アレンもまた大きな試練を乗り越えたようです。そして、今度は己の気持ちに素直に向き合うことが
  できたようです((´∀`*))よかった、よかった!
  

ランキングに参加してます♪ よろしかったらポチッとお願いしますね((´∀`*))

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

フェイク・ラヴ(33)

今は誰も信じることができなかった。
父親の偽善的な愛情、そしてそれに追い打ちをかけるような親友が打ち明けた裏切り。

まさか親友にまで裏切られるとは思わなかった。
アレンが帰国し、すっかり元気を失くし、御飯も喉を通らなくなった愁に、少しでも食べて欲しいと
願った弘明が観念して打ち明けた真実に、、愁はただ戸惑うばかりだった。

自分の親友と平気でセックスをするアレンを軽蔑し、それでも尚嫌いになれない自分に腹を立て
苦しみぬいた末に、アレンから離れようと決意した矢先に起きた事件。
それなのに…

あの苦しみは何だったんだろうか…。
弘明は自分からアレンに近づいたと言った。

アレンは弘明と一度だけ大学の構内で顔を合わせている。
偶然、愁の自宅の住所を聞いたのが弘明だったのだ。

その時、弘明はアレンに知り合いだとしか話していなかったらしい。
もっとも、その頃弘明もアレンの顔は知らなかったのだが。

その後、弘明はアレンに会うためにハイパーに出入りし、アレンには弘人(ひろと)と偽名を教えたという。
一度名前を聞いたっきりのアレンにとっては、興味ない人間の名など記憶になかったのだ。
すんなりと弘人として受け入れたらしい。

弘明がウソを吐いていなければ、アレンだって時々愁の口から出る”ヒロアキ”という名前に心当たりを
覚えたはずだ。

どうしてアレンは一言も言い訳をしなかったのだろう…。
「あいつ…ちょっとはお前のこと、本気だったんだな。愁の傷つく顔が見たくなかったんだよ」

愁の問いかけに応えたのは弘明自身だった。
アレンは親友に裏切られたことを知って傷つく愁を見たくない為に、自分が悪者になったのだ。
愁はほんの少しさえ信じてあげられなかった自分を恥じた。

「愁が欲しかった。取り戻したかった…」と告白した弘明に、愁は自分の心の中にいるのはアレンだけだと
はっきりと告げた。

そして、友達に戻るのにも時間が必要だということも。
もう親友には戻れない…それが愁の出した答えだった。

日増しにやせ細っていく息子を、牧野理はどうすることもできなかった。
食事に口をつけようとしない愁は、とうとう点滴から栄養を摂るしかなくなっていた。

退院は延び、自宅に帰ることすらできないでいる。
生きる目的を見失ったように、愁の瞳からは光も消え失せていた。

時々、ふいに涙が目じりを伝って落ちていく。
誰にも愁を助けることができない。
誰の声も、愁には届かなかった。

恭介や加奈子。クラブの仲間がやってきても、もはや愁の瞳には何も映っていないも同然だった。
時々、窓の外に投げられる虚ろな瞳に映っているのは、かって自分が愛した男が帰って行った国の幻だった。
そこには息をし、歩き、笑うアレンがいる。


頭の中が霞がかかったようにぼんやりとしている。
もうベッドから降りる気力すらなかった。

しかし、筋力の衰えを防ぐ為に無理矢理にでも看護師に立たされて手洗いへと歩かなければならない。
とはいっても、愁が入院している病室は、広い個室だった。

それだけの距離でも、今の愁には辛かった。
ベッドに戻るとまた夢と現実の狭間を彷徨うように目を閉じる。

この頃になると、牧野理は愁の主治医に愁を本格的に心療内科に任せないかという話をされるようになって
いた。

今でも愁はいくつかの心療的な薬を飲んでいる。
刺し傷の方がもうすっかり治っているのだから、当然だろう。
思いもかけぬ事態に、牧野理もまた戸惑っていた。


窓へ目をやると、初夏のキラキラとした光が薄いカーテンの隙間から漏れ入っていた。
眩し過ぎないように、看護師が薄いカーテンを引いてくれたようだ。

季節の感覚すらない愁に、今朝検温の時に馴染みの看護師が天気の話をしていた。
今の自分には季節が夏であろうと冬であろうと関係なかった。

時間すら何の意味も持たなかった。
愁は瞳を閉じて、またうつらうつらとしだした。

大きな心地良い手が額に触れ、頬を滑る。
髪を優しく梳かれ、あまりの心地良さに声が漏れそうになる。

「ん…んん…」
「愁…」

聞き覚えのある低めのセクシーな声が自分を呼んでいる。
「愁…そろそろ戻って来いよ…」

我慢できずに瞳を開ける。そこには恋い焦がれた愛おしい男がいた。
いつもより数倍優しい瞳が自分を見ている。

また夢だろうか…
手を伸ばせば消えてしまう幻だろうか…
怖くて手が伸ばせない。

「アレン…。俺…また…夢みてる…夢…だよね…」
スッと伸びてきた手が、優しく頬を包む。

「夢じゃねぇよ」
鼻先が触れ、アレンの唇が重なる。

ふわっと香った匂いが、愁に現実味を与えた。
「アレン?!」

幻覚があるのだから、幻臭もあるのだろう。
しかし、確かにアレンの匂いがした。

「おい、まだ夢みてんのか?目覚ませよ。しっかり食って、元気にならねぇと俺とアメリカ行けねぇだろ…」
言いながらアレンがベッドのリモコンを手に取った。

「ア…アメリカって…?」
「仕事が待ってるわよ、愁…」

リクライニングが上がるにつれ、アレンの背後にいた加奈子が視界に入ってくる。
「ドリームの社長が待ってるわ」

覗き込むようにして顔を近づけてきた加奈子が、ウインクをして見せる。
「加奈子…さん…」

「みんな待ってるんだぜ。お前ら二人の盛大な送別会してやるから、さっさと元気になれよ」
「ジェラード!」

気が付くと、ベッドの周りにはいつもの仲間が笑顔を見せて立っていた。
加奈子の横には恭介が…
そして、隆司にショーンに龍二…

”夢?”
思わず左腕に繋がった点滴のチューブを引っ張っていた。

「痛っ!」
夢じゃない…本当なんだ。

再び伸びてきた大きな手が、頬をそっと包んだ。
「泣くな。迎えに来るの…遅くなって悪かったな」

「アレン…」
心なしかアレンの顎がシャープになったように見える。
しかし、その瞳には何倍もの優しさが込められている。

「愁…お前は俺がアメリカに連れて帰る」
引き寄せられ、抱きしめられただけで、心も体も溶けていくようだった。

涙が次から次へと溢れてくる。
今はその意味を深追いする余裕すらない。

聞きたいことはたくさんある。
だけど、今はいい。今はアレンが側にいてくれるだけで。


                       ≪32  34≫


★ とうとうアレンが迎えに来ましたね(○≧∀≦)
  さあ、これから愁ちゃん幸せになるのね!
  最終回まで少しです。


ランキングに参加してます♪ よろしかったらポチッとお願いしますね !(^^)!

 にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
 

フェイク・ラブ(32)

大きな背が少しずつ遠ざかって行く。
”待って!行かないで…”

叫んでいるつもりなのに、声が出ない。掠れた声がわずかに漏れる。
振り返った男は、片方の口角を釣り上げていつもの様に笑った。

ホッと緩んだ気持ちは、再び男が踵を返したと同時に張りつめるような緊張感を持った。
悲鳴と共に意識を取り戻した愁は、夢が現実になったことを知った。

父の口からアレンが日本を去ったことを知った。
「結局お前は遊ばれたのだ」と言う父の言葉は信じたくなかった。

だが、アレンから連絡がくることはなく日は過ぎて行った。
見舞いに来た恭介に聞いても、「上司の命令じゃぁ仕方なかったんじゃねえか…」という言葉しか返って
こなかった。



「ほら、いっぱい雑誌買ってきたよ」
サイドテーブルに愁の好きそうな雑誌が積まれる。

ショーンはこうやって頻繁に見舞いに来てくれる。
祖母や父と重なることが多いが、そんな時は遠慮してか少しだけお喋りしてすぐに帰ってしまう。

今日は珍しく昼間やってきたショーンは、「今日はたくさん喋れるな」と言って機嫌よく笑った。
「ありがとう、ショーン」

今は雑誌に目を通す気にはなれないけど、ショーンの気遣いは嬉しかった。
ショーンは例の愁を陥れたあの事件以来、愁をすごく気遣ってくれる。

大好きな龍二に交際を申し込まれたのに、ショーンは応じていない。
友人に酷い事をした自分には、その資格はないと言って拒んでいるのだ。

今の自分では愁にも、そして大好きな龍二にも申し訳ないのだと。
堂々と胸を張って龍二と付き合えるような自分になるからと言って、ショーンは色々な事を頑張っている。

「愁、そんな顔するなよ。ほら、元気だせって…」
ショーンは隅っこの丸椅子を持ってきて、愁のサイドに腰かけた。

ショーンがシーツに投げ出されている愁の細い手首を掴んだ。
「愁、俺さ思うんだ。アレンは自分から日本を去ったんじゃないって。誰かがそう仕向けたんじゃないかな」

「えっ!?でも仕事でって…」
「うん。でもさ、何か不自然な気がしてさ。もし、仕事でだとしても、愁に連絡すらないのはおかしいだろ」

「でも…アレンは俺のこと、好きってわけじゃ…」
「愁は分かってないよ!アレンは日本を気に入っていたよ。それに愁のことも。愁が病院に運ばれた時だって、
ずっと付きっ切りだったし、毎日病院に来てたんだぜ」

「毎…日?」
そんなことを聞いたのは初めてだ。

父親は「自分のせいで巻き込んでおいて、一度も顔を出さなかった」と言っていた。
恭介でさえそんなことを教えてはくれなかった。

「うん。それは恭介に聞いたんだけど、とにかく普通じゃなかったって。恭介でさえ、あんなアレンは初めて
見たってほど狼狽えてたって言ってたぜ。そんなアレンが愁に連絡しないはずないだろ?」

どうして恭介さんは教えてくれなかったんだろう…。
何か事情があったのだろうか。

そして、愁が出した結論はしごく単純だったが、もうそれしかありえないだろうと思うほど確信していた。
世間体を気にし、アレンを嫌っている父親が自分からアレンを遠ざけたのだ。

単刀直入に、そして憎しみを込めて問いただした愁に、父親は「子を守るのが親だ。それの何が悪い」と
開き直った。そこで愁の理性の糸は完全に切れてしまった。

全ては父親の企みだった。
自分のコネを使ってアレンをアメリカへと帰し、愁から遠ざけたのだ。
  
二度と二人が会わないように…。


                     ≪31  33≫


★ 愁の父親の企みで二人は引き離されてしまいました。・゚・(>д<)・゚・。
  さて、今後二人はどうなるのでしょうか…。

  またまた長い間、更新できなくてすみませんでした(→_←)
  やっぱり今年に入って祟られているのでしょうかね~。家族が次々にインフルエンザに(≧ω≦)
  もうホトホト看病疲れで…。って、自分が原因だろうが!!
  もう少しで最後の一人が全快?する予定です。
  なぜでしょうね~、予防接種もしていたのに…。おまけにリレンザも効かないのか、熱が下がる様子
  がなくて…(泣×△×);;やっと少し下がり始めたところですよ…。
  ああ…もう何も悪い事が起こりませんように。
  とりあえずは、このお話だけでも終わりまで続けたいので頑張ります!
  一気にはできないかもしれませんが、少しづつでもアップしていきますので、よろしくお願いします!


ランキングに参加してます♪ よろしくかったらポチッとお願いしますね((´∀`*))

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

| NEXT>>